40代で30万円のロードバイク、正直どうだった?

一言で答えるなら——買って後悔ゼロ。むしろ35歳の自分に教えてあげたかった。
僕が42歳でロードバイクを買ってから、3年が経ちました。新幹線に輪行袋で積んで知らない街を走ったり、車に積んで遠くまで行ったり。走った先で見つけたカフェ、車では素通りしていた景色。どれも、買う前の僕には想像できなかったものです。
ただ、30万円は決して軽い金額ではありません。この記事では、その30万円が何に消えたのか、そして買ってから「聞いてないぞ」と思ったことまで、正直に書きます。
40代になるまで高い自転車に興味がなかった
正直に言います。以前の自分は、自転車に何十万円もかける人の気持ちがまったく理解できませんでした。
30代のとき、通勤用に7万円のクロスバイクを買いました。当時はそれでも「高い買い物をした」と思っていたくらいです。なぜロードバイクがそんなに高いのか、調べる気にすらなれなかった。
都内に住んでいると移動手段には困らない。電車も車も新幹線もある。自転車にそこまでお金をかける理由が見当たらなかったんです。
でもその時は、まだ気づいていなかっただけでした。
BIANCHI(ビアンキ)に一目惚れした瞬間
クロスバイクを買いに行ったその日、ショップの1エリアにロードバイクが置いてありました。
BIANCHI(ビアンキ)。
その時は「ビアンチ」と読んでいましたが(笑)、正解はビアンキです。知らなかった。
色も形も、とにかく美しかった。「かっこいい」という言葉しか出てこなかった。その瞬間から、あのバイクを買うことが密かな目標になりました。
クロスバイクで走るたびに、いつもと違う道を帰るたびに、頭の中にBIANCHIがよぎる。そんな日々が続きました。
40代で数十万円のロードバイクを買った理由
そして42歳のある日、ついに買いました。
背中を押したのは、シンプルな問いかけでした。
「あと10年後、同じことを思っていたら後悔しないか?」
体力的に動けるうちに、好きなことにお金を使おう——そう決めた瞬間でした。
納車の日、丸の内から自宅まで16kmを走って帰りました。今思えば、あれがすべての始まりでした。
最初は「移動手段のひとつ」くらいの気持ちでした。でも走り出したら、気持ちよさが全然違う。風を切る感覚、身体が前に進む感覚、景色が変わるスピード。気づいたら「次はどこに行こう」と考えるようになっていました。

30万円は、何に消えたのか
タイトルに30万円と書いたので、中身を正直に出しておきます。
車体そのものは24万7千円ほどでした。完成車ではなく、ショップの店員さんがパーツを一つずつ選んで組んでくれた一台です。そこにフロントライト、鍵、防犯登録、空気入れを足して、だいたい30万円。
つまり、本体の値段だけ見て予算を組むと足りません。ここは僕も、買う直前まで分かっていませんでした。自転車は買った瞬間から走れるわけではなくて、ライトがないと夜は走れないし、鍵がないとコンビニにも寄れない。空気入れに至っては、ロードバイクのタイヤは数日で空気が抜けるので、家に一台ないと話になりません。
参考までに、僕が最初に足した3つを書いておきます。
ライトはキャットアイのVOLT800。充電式で、街灯のない道でも路面が見えます。夜も走るなら、ここはケチらないほうがいいと思っています。
鍵はクロップスのQ3という細いワイヤーロック。3桁のダイヤル式なので、鍵そのものを失くす心配がありません。コンビニに寄るくらいなら、これで十分でした。
空気入れは、車体を買ったビアンキのショップで一緒に買いました。チェレステ色でロゴの入ったやつです。同じ役割のものを挙げておくと、パナレーサーのフロアポンプ。空気圧計が付いていて、仏式にも対応しています。僕が使っているのはこれではありませんが、家に一台置くならこのタイプです。
パナレーサー フロアポンプ(空気圧計付き)を見る(Amazon)
車体のパーツ構成やコンポの中身は、BIANCHI SPRINTのレビュー記事に全部書いています。フレーム素材やコンポの違いから選び方を知りたい場合は、初心者の選び方をまとめた記事のほうが役に立つはずです。

本体以外に、そんなにかかるんですね…?

うん。しかもどれも「あとで買えばいいや」が効かないやつばかり。ライトがないと日が暮れた瞬間に詰むし、鍵がないと店に入れない。
買う前に、誰も教えてくれなかったこと
ここからは、買ってから知ったことです。カタログにもレビューにも書いていないのに、たぶん全員がぶつかるところだと思います。
立てかける場所が、どこにもない
ロードバイクには、スタンドが付いていません。付けることもできますが、僕は付けませんでした。見た目が好きだったからです。
その判断自体は今も後悔していません。ただ、乗り始めてすぐに気づきました。この自転車、どこにも立たない。
コンビニで止まる。壁がない。仕方なく寝かせる。自販機の前で止まる。立てかけられそうな柱を探す。走っている時間より、置き場所を探している時間のほうが長いんじゃないか。そう思った日もありました。
商業施設の駐輪場が、いちばん怖かった
もっと困ったのが、商業施設の駐輪場です。前輪を鉄の枠に差し込む、あのタイプ。
あれに入れると、車体が少し斜めになります。細いタイヤが枠に挟まったまま、上の重さが横からかかっている状態です。買ったばかりの頃は、あれを見るたびにホイールが歪むんじゃないかと不安になりました。
そして実際、小さな傷が付きました。目立つものではありませんが、あるものはあります。24万円の自転車を金属の枠に押し込んでいるので、当然といえば当然でした。
それ以来、駐輪場のことまで含めてルートを考えるようになりました。鉄の枠しかない場所には止めない。買い物が目的の日は、そもそもロードバイクを使わない。走るための自転車と、街で乗る自転車は別物なんだと、このとき初めて理解しました。
サドルの高さすら、分からなかった
納車されて走り出したものの、サドルの高さが自分に合っているのかどうか、判断する材料が何もありませんでした。
高いのか低いのか。前すぎるのか後ろすぎるのか。そもそも動かしていいものなのか。何から手をつければいいのかが分からない、という状態です。分からないことが分からないので、調べようもない。
今なら「気になったら店に持っていけばいい」と分かります。でも当時は、そんなことで店に行っていいのかも分からなかったんです。そもそもサイズが合っているかどうかは買う前の話でもあるので、身長別の目安はサイズ選びの記事にまとめました。
下ハンが、怖くて握れなかった
ロードバイクのハンドルは、下に向かって曲がっています。あの下側の部分を下ハンと呼びますが、僕はしばらく、そこに手を置けませんでした。
前傾がきつくなって、視線が下がる。速く走れるのは分かるけれど、その分だけ前が見えなくなる気がして怖かった。
今は普通に使います。海沿いの平坦な道が長く続くときや、下りのとき。風を受ける面積が減るのが体感で分かるので、自然と手が下りていくようになりました。
最初から全部使えなくていい。これは、今の僕が当時の僕に言ってあげたいことのひとつです。
玄関の数段で、持ち方が分からない
最後は、走りとはまったく関係のない話です。
家の玄関まで、数段の階段があります。ロードバイクを担いで上がるわけですが、この持ち方が最初はまったく分かりませんでした。フレームのどこを持てばいいのか。肩に担ぐのか、手で持ち上げるのか。とりあえず持ち上げてはみるものの、明らかにぎこちない。
そして何より、近所の人に見られていないかが気になって仕方ありませんでした。買ったばかりの30万円の自転車を、へっぴり腰で運んでいるわけですから。
今はまったく問題ありません。輪行袋に入れて電車で移動するくらいなので、担ぐこと自体に抵抗がなくなりました。
ついでに覚えたのが、寝かせるときは車体の左側を下にするということ。右側にはギアと変速機が付いているからです。ここは想像以上に繊細な部品で、ぶつけてほんの少し歪んだだけでも、変速がうまく決まらなくなることがあります。最初は知らずに、どちら向きでも置いていました。

走る前に、こんなに引っかかるところがあるんですね。

そう。しかも全部、乗り方の話じゃない。誰も教えてくれないのは、みんな当たり前になっちゃってるからだと思う。
それでも、後悔はゼロです。理由を書きます。
買ってわかった、ロードバイクにハマる理由
乗り始めてわかったのは、ロードバイクは「移動」ではなく「体験」だということです。
- 新幹線で輪行して、知らない街を走る
- 車では止まれない場所に気軽に立ち寄れる
- 走ったことがきっかけで、人との会話が生まれる
同じ道でも、自転車で走ると全然違う景色に見えます。そしてその景色を誰かと共有したくなる。気づいたら、ロードバイクが生活の中心になっていました。
このブログで発信すること
僕と同じように「興味はあるけど、まだ踏み出せていない」という方に向けて、以下のことを正直に書いていきます。
- 初心者のリアル(失敗談も含めて)
- 買ってよかったもの・後悔したもの
- 実際に走ったルートやカフェの記録
40代からのロードバイクライフ、一緒に楽しみましょう。

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