60kmくらい走ったあたりで、内ももがヒリヒリしてきました。
レーパン(ビブショーツ)は履いています。下着はもちろん履いていません。パッドもへたっていない。それでも擦れる。
痛みで集中が切れて、コンビニに入りました。そのままトイレで確認したら、擦れて皮がむけていました。
結局そのコンビニに1時間いました。
ウェアが悪いんだと思っていました。でも違いました。原因はサドルでした。
先に結論
僕の股ずれ(股擦れ)は、次の3つで起きなくなりました。
- 出発前にワセリンを塗る
- パンク修理セットに六角レンチも入れる
- 乗る前にサドルの高さと向き、左右のズレを確認する
2つめと3つめが変に見えると思います。理由はこのあと書きます。

六角レンチ、ですか……? 股ずれと何の関係があるんでしょう。

サドルが曲がってたんだよ。しかも走ってる途中で気づいたのに、直せなかった。
股ずれと「お尻の痛み」は別物
先に整理させてください。ここを混ぜると、対策がずっと的外れになります。
股ずれ(股擦れ)は「擦れ」です。内ももや足の付け根など、サドルの縁と肌がこすれる場所に出ます。ヒリヒリする、赤くなる、ひどいと皮がむける。
お尻の痛みは「圧迫」です。座骨のあたり、体重が乗っている場所に出ます。ジンジンする、しびれる、という出方をします。
場所が違うので、自分がどっちなのかは触れば分かります。内ももなら擦れ。座り面なら圧迫。
圧迫のほうについては、別の記事に詳しく書きました。
→ ロードバイクでお尻が痛い|パッドで治る痛みと、機材を直さないと治らない痛み
僕が股ずれした日の話
その日は、電車で輪行して、現地から走る予定でした。
自転車を分解して専用の袋に入れ、電車に乗せて運ぶことです。前輪(車種によっては後輪も)を外して袋に詰めます。遠くのコースを走りたいときに使います。
走り始めて、なんとなく違和感はありました。座りが悪いというか、いつもと同じ場所に座れていない感じ。でも「今日は調子が出ないな」くらいにしか思いませんでした。
折り返し地点が55kmくらいのコースでした。折り返してすぐ、60kmを過ぎたあたりから、内ももがはっきりヒリヒリしてきます。
そして70kmを過ぎたところで限界でした。疲れもあったと思います。でもそれ以上に、擦れているのが気になって走ることに集中できない。それでコンビニに入りました。
トイレで見たら、擦れて皮がむけていました。
外に出て、あらためて自分の自転車を見ました。そこで気づきました。
サドルが、少し左に曲がっていました。
前後の角度ではありません。上から見たときに、フレームに対してまっすぐ向いていない。少し左を向いている状態です。
輪行のときに袋に詰めたり出したりしているので、そこでずれたんだと思います。断定はできませんが、それ以外に心当たりがありません。
気づいたのに、直せなかった
ここが一番こたえた部分です。
サドルを直すには六角レンチが要ります。当時の僕は、パンク修理の道具も工具も何も持っていませんでした。「近所しか走らないし」という感覚のままだったんだと思います。
原因は分かった。でも直せない。結局そのコンビニに1時間いて、あとは曲がったまま走って帰りました。

それは、しんどいですね……。

うん。だからその日から、荷物が変わった。
後日、病院に行きました
帰ってからも治らなかったので、後日、病院に行きました。
診てもらったとき、男性の先生にこう聞かれました。
「ロードバイク、乗られてます?」
はい、と答えたら、こう言われました。
「これ、よく起きるんです」
薬をもらって、しばらく安静にしてください、と。それで治りました。
ただ、1週間は自転車に乗れませんでした。仕事で乗れなかった日もありますが、それだけではありません。通勤も自転車をやめて、バスにしていました。
2、3日で治ると思っていました。治りませんでした。座れば当たる場所なので、日常生活でも気になります。「1回の失敗で1週間止まる」というのが、この件で一番こたえたところかもしれません。
それでも、この一言でだいぶ気が楽になりました。自分の乗り方がよほど下手なんだと思っていたので。乗っている人には起きることなんだと分かっただけで、違いました。
ただ、これは僕の受け取り方ですが──「よく起きる」は「しょうがない」という意味ではないと思っています。
先生がそこまで言ったわけではありません。ここから先は僕の考えです。
よく起きるということは、それだけポジションや整備を確認しないまま乗っている人が多いということじゃないか。そして僕自身、自分のポジションが正しいのかどうか、はっきり分かっていませんでした。サドルが左に曲がっていても気づかずに60km走ったくらいなので。
原因がはっきりしないまま「よくあることだから」で済ませていたら、たぶん僕はまた同じことになっていました。

「よくあることだよ」で終わらせなかった、ということですね。

うん。実際、原因は自分の自転車のほうにあったからね。
それ以来、やっている3つのこと
① ワセリンを毎回塗る
擦れる場所に、走る前に塗っています。
使っているのはヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリーです。特別なものではなく、ドラッグストアでもAmazonでも買えるやつです。
これは誰かに勧められたものではありません。病院で言われたわけでもなく、自分で調べて、自分で試して、そのまま続けているだけです。
自転車専用の「シャモアクリーム」というものもあります。ただ、僕は使ったことがありません。なので、比べてどうという話は書けません。ワセリンで足りているので、そのままにしています。
塗るようになってから、股ずれは起きていません。
ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリーを見る僕が使っているのは200gのものです
② パンク修理セットに六角レンチも入れた
あの日から、サドルバッグの中身が変わりました。今は4つ入っています。
替えチューブ/タイヤレバー/電動ポンプ/六角レンチ2種類
六角レンチが入っているのは、パンクのためではありません。サドルがずれたときに、その場で直すためです。
ずれていることに気づいても、工具がなければ何もできない。あの日そう学びました。
バッグそのものの話は、別の記事に書いています。
→ ロードバイクのリュックは「蒸れない」で選ぶと失敗する。3年使って分かった本当の基準
③ 乗る前のチェックに「サドルの向き」を足した
僕は走る前にひととおり見る項目を決めています。あの日から、そこにサドルの向きが加わりました。
今はこうなっています。
- チェーンに注油する。海沿いを走ることが多いので、1週間に1〜2回はウェット系のオイルを入れています。
- タイヤの空気を入れる。
- サドルの高さをメジャーで測る。
- サドルの向きを見る。上からと、後ろからも見ます。目安はフレームです。フレームに対してまっすぐかどうかなら、目で見て分かりやすいので。
- その日の気温で何を着るか決める。
- ビブを履くときにワセリンを塗る。
- 前後のライトを充電する。今は通勤が徒歩なので、乗ると決めた日に充電しておかないと間に合いません。
このうち、股ずれに関係するのはサドルの高さと向きの2つだけです。どちらも道具は要りません。メジャーと、自分の目だけです。

毎回メジャーで測っているんですか? まめですね。

サドルって、乗っているうちに少しずつ下がっていることがあるんだよ。下がると力が入りにくいし、いつもと違うところに負担がいく。だから自分のベストの高さを数字で覚えておいて、それを保つようにしてる。測るのは10秒だけど、治すのには1週間かかるからね。
それでも擦れるなら
僕の場合はサドルでしたが、ほかにもよく言われる原因があります。自分の状況と照らしてみてください。
下着を履いていないか。レーパン(ビブショーツ)は直接履くものです。下着を履くと縫い目が増えて、擦れる場所が増えます。僕は最初から直履きなので体験としては書けませんが、メーカーが直履きを前提にしているのは事実です。
レーパン(ビブショーツ)のサイズが合っているか。ゆるいと生地が動いて、動いた分だけ擦れます。
パッドがへたっていないか。パッドが薄くなると座る位置が変わります。パールイズミの公式にも、パッドがへたったら買い替えの目安だと書かれています。
まとめ
股ずれは、ウェアの問題だと思われがちです。僕もそう思っていました。
でも僕の場合、原因はサドルが少し左に曲がっていたことでした。ウェアをいくら変えても解決しなかったはずです。
擦れたら、まず自分のサドルを上から見てください。まっすぐ向いていますか。
そして、股ずれはすぐには治りません。僕は1週間乗れませんでした。1回やると、それだけ走れない日が続きます。
そのうえで、ワセリンを塗る。六角レンチを持つ。乗る前にサドルの向きを見る。僕がやっているのはこの3つだけです。
そして、治らないときは病院に行ってください。僕が行ったときは「よく起きるんです」と言われました。ただ、よく起きるからといって、原因がないわけではありません。僕の場合は自転車のほうにありました。
内ももではなく座骨のあたりが痛いなら、それは擦れではなく圧迫です。そちらはこの記事に書きました。

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