正直、自分では買わなかった
ロードバイクを買ったとき、サイクルコンピューター(以下サイコン)は買いませんでした。
理由は単純で、「スマホでいいじゃん」と思っていたからです。GPSも地図もついてる。ストラバのアプリだって無料。わざわざ2万も3万も出して、小さい画面の機械をハンドルに付ける意味がわからなかったんです。
その考えが変わったのは、誕生日にサイコンをもらったときでした。
自分では絶対に買わなかったものを、使ってみたら手放せなくなった。この記事はそういう記事です。「サイコンって必要?」と検索してここにたどり着いた人に、買わなくていい人と、買ったほうがいい人をはっきり分けてお伝えします。
※そもそもの車体選びで迷っている方は、ロードバイクのサイズ選び方の記事も合わせてどうぞ。
結論:この線引きでいいと思う
先に結論から言います。
サイコンが要らない人
- 走るのは近所の街乗りやコンビニまで、片道10km以内
- 知っている道しか走らない
- 記録に興味がない
これならスマホで十分です。というか、スマホすら要りません。
サイコンを買ったほうがいい人
- 週末に30km以上、まとまった距離を走る
- 知らない道・初めての場所に行きたい
- 夏場に走る
- 記録を残して、少しずつ伸ばしたい
ひとつでも当てはまるなら、僕は買ったほうがいいと思います。特に「夏場に走る」が入る人。理由は次で書きます。
スマホで走っていた頃、何が困ったか
サイコンをもらう前、僕はスマホホルダーにスマホを挟んで走っていました。
その時期に困ったことを、正直に3つ書きます。
1. 夏、画面が見えない
これが決定的でした。
真夏の直射日光の下だと、スマホの液晶は本当に見えません。明るさを最大にしても白く飛んで、何が表示されているのかわからない。ルートを確認したくても確認できないんです。
2. 熱でタッチが効かなくなる
さらに悪いことに、夏のスマホは本体が熱を持ちます。そうなるとタッチの反応が明らかに遅くなる。というか、効かない。
信号待ちで地図を拡大しようとして、何度タップしても反応しない。あの時のイライラは今でも覚えています。
3. 走りながらスマホを触っていた
これは反省として書きます。
当時の僕は、走りながらスマホで音楽を選んだり、通知を確認したりしていました。
これは完全にアウトです。絶対に真似しないでください。
道路交通法違反ですし、なにより危ない。自転車の「ながらスマホ」は2024年11月から罰則の対象になり、さらに2026年4月からは青切符(反則金12,000円)の対象にもなりました。事故を起こさなくても取り締まられます。
サイコンを付けてから、僕は走行中にスマホを出さなくなりました。サイコンの一番の価値は、記録でもナビでもなく「スマホを触らなくて済むこと」だったのかもしれません。
一番よかったのは「全部データとして残ること」
ここまで安全の話をしてきましたが、3年使って一番よかったと感じているのは、実はもっと単純なことです。
走った記録が、全部データとして残ること。
走った距離。かかった時間。通ったルート。上った坂の勾配。それが1回のライドごとにきちんと残って、スマホのアプリに自動で同期されます。
これが、思っていた何倍もよかった。
僕はトレーニングと呼べるほどガチな走り方はしていません。パワーがどうとか、心拍ゾーンがどうとか、そこまでは見ていない。それでも記録は残したいんです。
「先月は合計何km走ったんだろう」
「この坂、前に来たときより速くなってるかな」
「あの日走ったルート、どこで曲がったんだっけ」
こういうのが、あとから全部見返せる。積み上がっていくのが素直に楽しいんです。
坂を上っているときの表示も、地味にいいです。
僕の使っている機種はカラー画面なので、勾配がきつくなるにつれて表示が黄色から赤へ変わっていきます。「今、何%を上っているのか」が数字だけでなく色でわかる。息が上がって数字を読む余裕がないときでも、色なら目の端で拾えるんです。
赤くなったときの「やっぱりキツいわけだ」という納得感。あれがあるだけで、しんどさの意味が変わります。不思議と足が回るんですよね。 ヤビツ峠に初挑戦したときの記事でも書きましたが、坂は数字より体感がキツいので、色で分かるのは想像以上に助かります。
※この表示はカラー画面の機種に限られます。モノクロや地図なしの安いモデルでは、勾配は数字だけの表示になります。
スマホのアプリだけでも記録は取れます。でも、スマホは走行中に見られない(見てはいけない)。「走りながら見られて、あとから全部残る」の両立ができるのがサイコンです。
ちなみに記録の同期先は、BrytonならBryton Active、GarminならGarmin Connectといった具合に、メーカーごとに専用アプリがあります。どのメーカーもストラバ(Strava)に連携できるので、そこは機種選びで悩まなくて大丈夫です。
3年使って、劣化ゼロだった話
ここからは、実際に使っている機種の話です。
僕が使っているのは Bryton(ブライトン)の Rider 650 という機種。台湾のメーカーで、地図が入っていてターンバイターン(曲がる場所を音と画面で教えてくれる機能)にも対応しています。
3年使って、一番驚いているのがバッテリーです。
もらった当初と今で、持ちがまったく変わっていません。1日走っても15%くらいしか減らない。朝出て夕方帰ってくるようなロングライドでも、充電の心配をしたことが一度もないんです。
スマホでナビをしながら走ると、半日でバッテリーが半分以下になります。モバイルバッテリーを持ち歩く前提になる。この差はかなり大きいです。
サイコンのレビュー記事はたくさんありますが、「3年使ってどうなったか」を書いている記事はほとんど見かけません。だからここは自信を持って書けます。3年経ってもへたっていません。
使っていない機能も正直に書きます
いいことばかり書いてもフェアじゃないので、僕がまったく使っていない機能も書いておきます。
それはトレーニング機能です。
サイコンの商品ページには「パワー分析」「トレーニング効果」みたいな言葉がずらっと並んでいます。でも、これらの多くはパワーメーター(ペダルやクランクに付ける、脚力を数値化する機械)がないと機能しません。
僕はパワーメーターを持っていないので、トレーニング機能は一度も使ったことがないです。
なので初心者の方へ。パワーメーターを買う予定がないなら、トレーニング機能の充実度で機種を選ばなくていいです。ここで悩む時間がもったいない。
ちなみに僕は、スピードとケイデンス(ペダルの回転数)のセンサーは付けています。こちらは安いので、あって損はないと思います。
初心者が見るべきスペックは、この4つだけ
サイコンのスペック表は項目が多すぎて、初心者には何を見ればいいのかわかりません。僕もそうでした。
見るべきなのは、この4つで足りると思っています。
① 地図が入っているか
一番大きな分かれ道がここです。
地図なしのサイコンは、速度・距離・時間・心拍などの「数字」を表示するだけ。安いです。1万円台で買えます。
地図ありは、画面に地図が出てナビをしてくれる。知らない道に行くならこちらです。値段は倍くらいになります。
「走ってみたい場所があるか」で決めるといいと思います。
② 画面の見やすさ(サイズより、解像度と明るさ)
ここは僕がハマったところなので強調しておきます。
画面の見やすさは、インチ数ではありません。解像度と明るさ(輝度)です。
3.5インチでも解像度が低ければぼやけますし、2.7インチでも高解像度・高輝度なら圧倒的に見やすい。カタログのインチ数だけを比べても意味がないんです。
③ バッテリーの持ち
「連続使用○時間」という表記を見てください。
ロングライドをするなら20時間以上あると安心です。地図表示を使うと公称値より減りが早くなるので、余裕を持って選んでおくといいです。
④ センサーは別売りかどうか
心拍計やケイデンスセンサーは、本体に付属している場合と、別売りの場合があります。
同じ型番でも「本体のみ」と「センサーセット」で商品が分かれていることが多いので、買う前に必ず確認してください。「安い」と思って買ったら本体だけだった、というのはよくある話です。
予算別、最初の1台
ここからは具体的な機種です。僕が実際に使っているのは Rider 650 だけなので、他は調べた上での紹介として読んでください。
※価格は2026年9月1日時点のAmazon価格(税込)です。変動します。
1万円台前半|まずは記録から
iGPSPORT BSC200S(約10,620円)
地図なし。速度・距離・時間の記録が中心です。反射型の液晶なので、直射日光の下でむしろ見やすいのが特徴。バッテリーも公称25時間。「まずサイコンってどんなものか試したい」ならここからで十分だと思います。
まずは記録から始めたい人へ。1万円台前半
Bryton Rider 550E(約12,584円)
同じく地図なし。公称37時間とバッテリーがかなり強い。国内で扱いが多いメーカーなので、情報を探しやすいのも初心者にはメリットです。→ Amazonで見る
1万円台後半|地図が入る
Bryton Rider 650E(約16,088円)
僕が使っている機種です。この価格で地図とターンバイターンが入るのは、正直かなりお得だと思います。バッテリーの持ちも上に書いた通り。初めての1台として、僕はこれを勧めます。
僕が3年使っている機種です
3万円台|画面を大きくしたい
Bryton Rider S810E(約32,340円)
3.5インチの大画面。バッテリーは公称50時間。650の画面に物足りなさを感じるなら、こちらです。→ Amazonで見る
7万円〜|地図の質で選ぶ
Garmin Edge 550(約68,899円)/ Edge 850(約82,333円)
値段は跳ね上がりますが、日本の詳細な道路地図が最初から入っています。画面も420×600と高解像度。「ナビの精度に一切妥協したくない」ならこの2台です。850はWi-Fiでの地図更新などが追加されています。→ Edge 850をAmazonで見る
ナビの精度に妥協したくない人へ
それでも今、買い替えを考えている理由
Rider 650に大きな不満はありません。バッテリーも文句なし、ナビもちゃんと再検索してくれます。
それでも買い替えを考えているのは、画面の見やすさ、この一点です。
夏の日差しの下で見づらい場面がある。上に書いた「解像度と輝度」の話は、僕自身が今まさに悩んでいることでもあります。
ただ、これは3年間しっかり使い倒したうえでの「次はここを上げたい」という話です。最初の1台としての Rider 650 の評価は、今でもまったく変わりません。
まとめ
- 近所の街乗りだけなら、サイコンは要らない
- 週末に30km以上走る、知らない道に行く、夏に走るなら、あったほうがいい
- スマホは夏に見えなくなる・熱でタッチが効かなくなるのが致命的
- 走りながらスマホを触るのは違反です。サイコンはその習慣を断ち切ってくれる
- 一番よかったのは、距離・時間・ルートが全部データとして残ること。ガチなトレーニングをしなくても、記録が積み上がるのは楽しい
- 3年使ってバッテリーは劣化ゼロ。1日走って15%しか減らない
- パワーメーターがないなら、トレーニング機能は選定基準に入れなくていい
- 見るべきは「地図・画面の解像度と輝度・バッテリー・センサー別売か」の4つ
- 最初の1台なら Bryton Rider 650E(約16,088円)
「サイコンって必要?」の答えは、「走る距離と、行く場所による」です。
そして、もし迷っているなら。僕みたいに人からもらって初めて気づく前に、一度使ってみてほしいなと思います。思っていたより、走るのが楽しくなりますよ。
サイコン以外にも「最初に何を揃えればいいのか」で迷っている方は、走る前の準備でやってしまった失敗談にまとめてあります。

僕も最初は「スマホでいいじゃん」って思ってたんだよね。

わたしもです……。でも夏に画面が見えなくなるお話、想像しただけで怖いです。

それに走った記録が全部残るのがいいんだよ。先月何km走ったとか、あとから見返せる。

積み上がっていくの、楽しそうです……!

走りながらスマホを触らなくて済むのも大きいしね。

安全がいちばんですもんね。1万円台から選べるなら、思っていたより手が届きそうです!


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